これ、恋愛にカテゴリーしていいのかな?

ま、カテゴリーなんてあって無いような物ですから。

姫野さんは本当に荒唐無稽な設定がお得意なんだな、と思った。ファンタジーです。ちょっとエゲつないけど、最後まで読むと、何だかほんわかしちゃう不思議なお話。

姫野 カオルコ
受難
敬虔なクリスチャンである主人公フランチェス子の秘部(笑)に住まう、人面痩古賀さん(フランチェス子命名)の寄生物語。綺麗&ナイスバディなのに、全然モテないフランチェス子をひどい言葉で罵倒する古賀さん。その言葉にフランチェス子は、キスもセックスもできないダメな人間だと自分を卑下していく。そのネガティブ思考はどんどん深まり、ついには悟りきってしまうほどに。古賀さんとは一体何者なのか?そして、ついにその正体が明らかになる!

無茶苦茶な設定がまずおかしい。フランチェス子のあまりにもネガティブな発想にも、古賀さんの罵詈雑言にも笑ってしまう。
でも、なかなかどうして古賀さんの言葉には深みがある。そして時々本当にグサリと胸に刺さる。かーなり、毒性が強いです。
寂しいと感じるなんて傲慢だ、とか
恋愛中の二人の間に意味のある会話は無い、とか・・・。
相変わらず姫野さんのモテる女の容姿論は笑える。(よっぽど皮膚の薄い透明感のある肌に恨みが?笑)
あんまりセクシー過ぎるのも、綺麗過ぎるのもダメ。っていうのが姫野さんの一貫したモテ論だと思う。
いわゆる平均的な現代の若い男の子達を皮肉ってるよな、って思えて笑えちゃう。

ーーーー独り言ーーーー
(最近、ananを読んだら、「正しい男の愛し方」とかいう内容でした。その中の記事で、若い男の子達代表数名が女の子の色気は控えめな方がいい、とうコメントに沿って記事が書かれていて。心の底から笑わせて頂きました。そんな男の子達から愛される女になれ、的な記事を特集しちゃう雑誌に。中身を全然読まずに、表紙買いした私に(笑) 初めて読んだ&買ったよ~~、anan(笑)。あんな雑誌だったのね。
色気を出し惜しみするなんて、私は粋じゃないと思う。
averageに合わせてどうすんだよ、って思う。
↑これ、出し惜しみしてたら色気なんて無いに等しい私の僻みだわ・・・、長い独り言だ!)
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最後、人面痩の古賀さんは、スゴイ事になっちゃう。(ジークフリートて!!)
あははー。姫野さんったらやってくれます。
感想がすごく難しいです。あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので。古賀さんの正体は、読んだ人だけのお楽しみって事で。ヒント:私はぶっとびましたね。誰かこれ、予測できた人いるのかなぁ・・・。
「受難」って、キリストがユダに裏切られて、民衆によって十字架にはり付けされ、茨の冠をかぶらさせられて手に釘を打たれる、っていう内容でしたよね。
古賀さんはキリストを非難する民衆なのか?
だったら、フランチェス子はキリスト!?
うーーん・・・そのあたりが勉強不足で、本書とどうリンクするのか分からないなぁ。どなたか分かる方がいらっしゃったら教えて頂きたいです。
全体的には面白くて満足だったけど、数の子といそぎんちゃくはいらないんじゃないかなぁ?姫野さん(笑)