一つの原作で、いくつもいくつも映像化するのは如何なものか、と色んなところで吠えている蝶蝶雲ですけど・・・。すんません、今回はミッチーに負けました。
見ちまいましたよ、「私の中の消しゴム」・・・。
ま、他の映像化されたのを見ていないので、いいかなって。それに、ミッチー以外だったら絶対見なかった作品で、あの、だから、・・・・あの・・・許してください!!


「人が幸せになる絵本を書きたい」という美大生、かなは、学校帰り、シャッターに風景を描く涼介と出会う。不幸な家庭に育ち、人に心を開けない涼介だったが、かなの優しさに段々と優しい心を取り戻していく。幸せな日々の中、結婚を考えていた涼介は、かなの母親から思わぬ事実を聞かされる。かなは若年性アルツハイマー病であると・・・。


ああ、こういう話なのね、と思いながら見ました。そして、深田恭子さんがミッチーを忘れていた事に傷付いて泣くシーンでまんまともらい泣きしました。なんでこんなベタな話で泣いてしまうんだ、私。多分、「やだ、私もミッチーのこと忘れたくない。」って痛いこと考えたからに違いない。←くだらん(笑)
嫌な事は極力思い出したくないのに、思い出して「うおーー」ってなっちゃう。楽しい事を思い出しながら1人笑いしちゃう。記憶が無くなるってそれが全部出来なくなるってこと。自分が自分であるという認識を失うのは怖い。

前に知り合いが頭をぶつけて、病院につれてったことがある。その時は、「何時?」とか「どうなったの?」とか延々ずっと同じことを聞かれて、それに答えていった。さっき言ったことを覚えていない。こっちが教えた事も覚えていない。その人のは脳震盪のせいだったから、3日くらいで治ったんだけど、その間の記憶があまり無いらしい。もやがかかったみたいになってるって言ってた。怖いなぁって思った。それがどんどん酷くなる病気って想像できない。私はきっと、自分の事で精一杯になって、相手の事を思いやれないと思う。すごくエゴイスティックになりそうで怖い。そういう自分を知るのが怖い。


もっと生々しい感じなのかと思ったけど、キレイに纏まっていたな。キレイに纏まっていた分、深みが無かった。多分、深田恭子さんのね、葛藤が、弱かったんじゃないかな、と思う。私がミッチー中心に見てたからなのかも知れないけど、「私の中の消しゴム」ではなく、「彼女の中の消しゴム」だったのでは?


あと、最後これだけ言わせて。
オレンジのセーターは激しく似合ってませんでした。つーかあれ似合う人、見てみたいっす。